空き家の庭木や雑草で近所から苦情が来たら?遠方でもできる対応と業者の選び方

空き家の庭木や雑草が伸びて近隣や自治体から苦情を受けたときの対応 空き家の管理・修繕・解体
この記事には広告・アフィリエイトリンクを含む場合があります。

相続した実家を空き家のままにしていたところ、自治体や近隣住民から「雑草が伸びている」「庭木の枝が隣の敷地へ出ている」「道路にはみ出して危ない」と連絡を受けることがあります。

遠方に住んでいると、現地がどのような状態なのか分からず、草刈り、剪定、伐採のどれを頼めばよいのか判断できないこともあるでしょう。

自治体や近隣から連絡を受けたら、まず問題になっている場所と危険性を確認し、必要な作業を整理したうえで地域の業者へ相談します。

すぐに現地へ行けなくても、写真を確認する、業者へ現地調査から依頼する、対応を始めたことを自治体や近隣へ伝えるといった方法があります。

この記事で分かること

・自治体や近隣から連絡を受けた後の確認事項
・遠方から空き家の状態を確認する方法
・草刈り、剪定、伐採、抜根の違い
・業者へ伝える情報と見積もりの確認点
・作業後の報告と再発防止

    この記事は、自治体で空き家相談員として相談対応に関わった経験をもとに、実家の空き家で庭木や雑草の問題に困っている方へ向けて整理しています。

    草木の状態、土地の境界、自治体の条例、近隣との関係によって必要な対応は変わります。法律上の責任や境界をめぐる判断は、自治体、弁護士、土地家屋調査士などにも確認してください。

    空き家相談の現場では、雑草や庭木のことを言われて初めて現地の状態を知ったというケースがありました。まずは問題になっている場所と、倒木や落枝などの危険がないかを確認することが大切です。

    空き家の庭木や雑草で苦情が来たら最初に確認すること

    自治体や近隣から連絡を受けた段階では、すぐに作業内容を決めるのではなく、何が問題になっているのかを確認します。

    自治体から確認すること

    • 雑草、庭木、竹、つる植物など、何が問題なのか
    • 隣地、道路、歩道、電線など、どこへ影響しているのか
    • 倒木や落枝など、緊急性のある状態か
    • 現地写真があるか
    • いつ頃までの対応を求められているか
    • 電話によるお願いなのか、条例などに基づく文書なのか

    自治体から連絡が来たからといって、直ちに管理不全空家等や特定空家等に該当したとは限りません。まずは連絡内容と、どのような対応を求められているかを確認してください。

    空き家を放置した場合の行政対応や管理不全空家等については、次の記事で整理しています。

    空き家を放置するとどうなる?管理不全空家・特定空家になる前に確認すること
    空き家を放置するとどうなるのかを初心者向けに解説します。管理不全空家・特定空家、固定資産税、近隣トラブル、屋根外壁の劣化、売却・解体・空き家管理サービスの選び方を整理します。

    自治体が所有者に代わって、草刈りや剪定を無条件で行ってくれるわけではありません。業者の選定、契約、費用負担は、所有者や相続人側で進めることが基本です。

    近隣住民へ伝えること

    近隣住民から直接連絡を受けた場合は、責任の有無をすぐに争うのではなく、まず状態を確認して対応を始めることを伝えます。

    すぐに作業日を決められなくても、次のように返答できます。

    ご連絡ありがとうございます。現地の状態を確認し、草刈り・剪定業者への相談を進めます。対応日が分かり次第、改めてご連絡します。

    連絡を受けた日時、相手の氏名、問題になっている場所、写真の有無、こちらから回答した内容は記録しておきましょう。

    早めの対応が必要な危険な状態

    庭木や雑草の問題には、景観上の問題だけでなく、人や車、建物へ危険が及ぶものがあります。

    次のような状態は、早めに現地確認や業者手配を進めた方がよいでしょう。

    • 太い枝が道路や歩道の上へ伸びている
    • 枝が道路標識やカーブミラーを隠している
    • 枯れ木や傾いた木が倒れそうになっている
    • 折れた枝が隣家や道路へ落下しそうになっている
    • 枝が電線や通信線へ接触している
    • 雑草や枝で交差点、駐車場、出入口の見通しが悪い
    • 庭木の中や生け垣の周辺にハチの巣がある

    電線の近くに枝がある場合は、自分だけで判断せず、電力会社や道路管理者、対応できる専門業者へ確認が必要になることがあります。

    高所作業、道路上の作業、枯れ木の伐採を無理に自分で行わないでください。

    遠方から空き家の状態を確認する方法

    遠方の空き家では、業者を探す前に現地の状態が分からないことがあります。

    1. 自治体や近隣へ、問題になっている場所を確認する
    2. 現地写真や動画があるか確認する
    3. 必要に応じて、親族や知人へ道路から見える範囲を確認してもらう
    4. 草刈り・剪定業者へ現地確認から依頼する
    5. 作業前後の写真報告が可能か確認する

    写真は庭全体だけでなく、隣地や道路へはみ出している場所、木の根元、幹の傾き、作業車が入れる道路、門やフェンスの状態が分かるものがあると見積もりに役立ちます。

    過去の写真だけでは、現在の草木の状態は判断できません。見積もり前に、できるだけ新しい写真や現地確認を用意しましょう。

    遠方の空き家では、現地の状態が分からないまま業者を探し始めると、作業内容や見積もりが決まりにくくなります。まず写真を集め、必要に応じて現地調査から依頼すると進めやすくなります。

    空き家を今後も所有し、外観確認や換気、通水などを定期的に依頼したい場合は、空き家管理サービスの内容や対応範囲も比較してください。

    空き家管理サービスとは?遠方の実家を見に行けないときの選び方
    空き家管理サービスとは何かを初心者向けに解説します。遠方の実家を見に行けない人向けに、見回り内容、料金の考え方、選び方、自分で管理する場合との違い、売却・解体・修繕との比較を整理します。

    草刈り・剪定・伐採・抜根の違い

    業者へ相談するときは、必要な作業を大まかに整理しておくと話が進みやすくなります。

    雑草や下草を刈る作業が草刈り、伸びた枝を整える作業が剪定、木を根元付近から切る作業が伐採、切り株や根を撤去する作業が抜根です。

    作業主な対象向いている状態
    草刈り雑草、下草、背の低い植物敷地全体の雑草が伸びている
    剪定庭木、生け垣、枝葉枝が伸びすぎている、隣地や道路へ出ている
    伐採木の幹枯れ木、倒木のおそれ、今後その木を残さない
    抜根切った後の根や切り株土地利用などのため根まで撤去したい

    伐採を依頼しても、切り株の撤去や枝葉の処分が含まれないことがあります。草刈り後の草の回収、除草剤、防草シート、抜根なども別料金になる場合があるため、見積もり時に確認してください。

    将来売却する可能性がある場合は、庭木をすべて伐採する前に、不動産会社へ確認する方法もあります。必要以上に費用をかけても、売却価格に反映されるとは限りません。

    枝が隣地へ越境している場合の注意点

    越境した枝を相手がいつでも自由に切れるとは限りません

    境界、催告の有無、危険性などによって判断が変わる可能性があります。境界争いや費用請求がある場合は、弁護士や土地家屋調査士にも確認してください。

    枝が隣地へ伸びている場合は、どの木のどの枝が境界を越えているのかを作業前に確認します。

    民法では、隣地の竹木の枝が境界を越えている場合、越境された土地の所有者が竹木の所有者へ切除を求めることが基本です。

    一定の条件では、越境された側が枝を切り取れる場合もありますが、いつでも自由に切れるわけではありません。

    竹木の所有者へ切除を求めても相当の期間内に対応しない場合、竹木の所有者またはその所在を調べても分からない場合、急迫の事情がある場合などが定められています。

    越境した枝の切除に関する現在のルールは、改正民法の施行により2023年4月1日から適用されています。ただし、実際に枝を切れるかどうかは、催告の状況や危険性などによって判断が変わる可能性があります。

    境界そのものに争いがある、太い枝や木全体の安全性に関わる、近隣から費用を請求されているといった場合は、当事者だけで判断せず、弁護士や土地家屋調査士へ相談してください。

    参考:e-Gov法令検索「民法」、法務省「令和3年民法・不動産登記法改正」

    草刈り・剪定業者へ伝える情報

    問い合わせ時には、分かる範囲で次の情報を伝えます。

    • 空き家の住所
    • 敷地のおおよその広さ
    • 草刈り、剪定、伐採のうち希望する作業
    • 庭木の本数、高さ、幹の太さ
    • 隣地や道路へ越境している場所
    • 傾いた木、枯れ木、折れた枝の有無
    • 現地写真や動画の有無
    • 門扉、鍵、駐車場所、作業車の進入状況
    • 自治体や近隣から連絡を受けていること
    • 立ち会いなしで対応できるか
    • 作業前後の写真報告が必要であること

    写真だけでは正確な見積もりが難しい場合があります。その場合は、現地調査費や出張費がかかるかを先に確認しましょう。

    見積もりで確認する作業範囲と追加費用

    見積金額だけでなく、何が含まれているかを確認します。

    • 草刈り・剪定・伐採の作業費
    • 刈った草や枝木の回収・処分費
    • 高所作業や高所作業車の費用
    • 傾斜地、狭い通路、重機が入れない場所の追加費用
    • 抜根、除草剤、防草シートの費用
    • 道路上で作業する場合の対応
    • 現地調査費、出張費、駐車料金
    • 作業前後の写真報告
    • 見積もり後に追加料金が発生する条件

    緊急性の高い枯れ木や越境枝は早めの対応を優先し、それ以外の草刈りや敷地全体の整備は、複数の業者を比較して決める方法もあります。

    地域の庭木剪定・草刈り業者を比較する

    くらしのマーケットでは、地域の庭木剪定や草刈りに対応する事業者について、料金、口コミ、プロフィール、作業内容などを確認しながら予約先を検討できます。

    遠方の空き家を依頼する場合は、立ち会いなしで対応できるか、鍵の受け渡しが必要か、作業前後の写真を送ってもらえるかも確認してください。

    地域や時期によって、対応できる事業者や作業内容が異なる場合があります。予約前に、空き家の所在地と希望する作業を具体的に伝えましょう。

    現地の状態が分からないまま放置すると、草木の問題が大きくなることがあります。遠方の場合は、現地確認や作業前後の写真報告ができる業者へ相談すると進めやすくなります。

    空き家の庭木剪定・草刈りを地域の業者へ相談する

    庭木の高さ、越境している枝、草刈りの範囲、枝葉の処分、作業前後の写真報告などを確認し、条件に合う業者を比較しましょう。

    遠方の空き家では、立ち会いの要否や現地確認の方法も、予約前に確認することが大切です。

    空き家の草刈り・庭木剪定を近くの業者に依頼する

    くらしのマーケット

    相続人が複数いる場合の連絡窓口と費用負担

    相続したばかりの空き家では、相続人同士で今後の方針が決まっていないことがあります。

    売却や解体について結論が出ていなくても、近隣への危険を減らすための草刈りや剪定は先に進める必要がある場合があります。

    • 自治体・近隣・業者との連絡窓口を誰にするか
    • 誰がいったん費用を支払い、後でどう精算するか
    • 追加作業を依頼できる金額の上限
    • 見積書、請求書、作業写真をどう共有するか

    連絡担当者が費用を全額負担すると決める必要はありません。連絡役と費用負担は分けて整理できます。

    相続人間で強い対立がある、費用を支払った後に精算できるか不安、誰に契約権限があるか分からない場合は、弁護士などへ確認してください。

    空き家になった直後の管理担当や相続人間の役割については、次の記事で整理しています。

    実家が空き家になったら最初にやること|相続・片付け・売却・管理の流れ
    実家が空き家になったら何から始めるべきかを、建物の安全、名義・相続人、重要書類、家財、管理の順に解説します。1週間・1か月・3か月の行動目安と、売却・管理・解体へ進む前の確認事項を整理します。

    作業後は自治体や近隣へ報告する

    作業が終わったら、自治体や近隣へ対応完了を伝えます。

    • 作業日
    • 草刈り、剪定、伐採などの作業内容
    • 越境していた枝を処理した範囲
    • 作業前後の写真
    • 今後の点検予定

    近隣へ直接連絡する場合は、「ご連絡いただいた箇所について、○月○日に剪定を行いました」と簡潔に伝えます。

    境界、損害、費用負担について争いがある場合は、作業完了の報告と法的な話し合いを分けてください。

    再発を防ぐため今後の管理方法を決める

    草刈りや剪定を一度行っても、その後の管理を止めれば再び草木が伸びます。

    作業後に業者へ、次回の草刈り・剪定時期の目安、危険な木の有無、今後必要な作業を確認しましょう。

    必要な回数は地域の気候、草木の種類、敷地状態によって変わります。

    今後も空き家を所有する場合は、次の方法を比較します。

    • 家族や親族が定期的に確認する
    • 草刈り・剪定業者へ時期を決めて依頼する
    • 空き家管理サービスで定期巡回を依頼する
    • 作業後の写真と次回予定を相続人間で共有する

    くらしのマーケットは、草刈りや庭木剪定などの個別作業を依頼するためのサービスです。換気、通水、郵便物確認、建物の定期巡回などをまとめて行う空き家管理サービスとは役割が異なります。

    庭木以外の空き家問題も確認する

    草刈りや剪定のために現地を確認すると、庭木以外の問題が見つかることがあります。

    • 軒下や庭木の中にハチの巣がある
    • 雨どいや屋根材が外れている
    • 外壁や塀が傾いている
    • 不法投棄や残置物がある
    • 窓ガラスが割れている
    • 動物が建物へ侵入した形跡がある

    ハチの巣が見つかった場合は、剪定作業を先に始めるとハチを刺激する可能性があります。作業を止め、安全な場所から専門業者へ相談してください。

    空き家にできたハチの巣への対応は、次の記事で詳しく整理しています。

    空き家にハチの巣ができたら?自治体・近隣から連絡を受けたときの対処法
    空き家にハチの巣ができ、自治体や近隣から連絡を受けたときの対処法を解説します。現地確認、駆除業者へのWEB相談、所有者の管理責任、損害賠償の可能性、刺された場合の対応、再発防止、駆除後の空き家管理まで順番に整理します。

    管理を続けるか売却・解体を検討するか

    庭木や雑草の苦情を解決するために、すぐ売却や解体を決める必要はありません。

    ただし、遠方で定期的な管理ができず、毎年草刈りや剪定の費用がかかる場合は、今後も所有を続けるかを検討する時期です。

    空き家の状態検討すること
    将来使う予定がある草木管理と建物点検を続ける
    すぐ方針を決められない空き家管理サービスを比較する
    今後使う予定がない現状のまま売却できるか確認する
    建物の老朽化が進んでいる売却と解体を比較する

    空き家を今後も所有するか、売却や解体を検討するかで迷う場合は、次の記事も参考にしてください。

    実家の空き家は売るか解体するか?費用・買取・管理を比べる判断基準
    実家の空き家を売るか解体するか迷う方へ、現況売却、空き家買取、解体後の土地売却、維持管理を比較します。名義・相続人、建物状態、査定、解体費用、土地需要、補助制度を確認する順序と、状況別の次の行動を解説します。

    まとめ|まず危険箇所を確認し、必要な作業を業者へ相談する

    空き家の庭木や雑草について自治体や近隣から連絡を受けたら、放置せず、まず問題になっている場所と緊急性を確認します。

    • 自治体や近隣から詳しい状況と写真を確認する
    • 道路、隣家、電線へ影響する危険な枝を優先する
    • 草刈り、剪定、伐採のどれが必要か整理する
    • 遠方なら業者へ現地確認と写真報告を依頼する
    • 相続人間で連絡窓口と費用負担を決める
    • 作業後は自治体や近隣へ完了を報告する
    • 今後の草木管理と空き家全体の方針を整理する

    まず危険箇所への対応を始め、業者へ依頼する場合は、作業範囲、枝葉の処分、追加費用、立ち会いの要否、作業前後の写真報告まで確認しましょう。

    その後、空き家を定期管理するか、売却や解体を検討するかを整理してください。

    タイトルとURLをコピーしました